ヴィンテージギター、特に1950〜70年代のフェンダーやギブソンといった名器が、ここ数年で驚くほどの値上がりを見せている。
管理人自身、楽器店やオークションサイトを定期的にチェックしているが、正直「え、こんな値段になったの!?」と声が出そうになることも一度や二度ではない。
この記事では、コロナ禍前と現在のヴィンテージギター価格を比較しながら、なぜこれほどまでに高騰しているのか、その背景をできるだけわかりやすく整理してみたいと思う。
コロナ禍前のヴィンテージギター相場
2019年頃までのヴィンテージギター市場は、今と比べればまだ「マニアの世界」という色合いが強かった。
もちろん高価ではあったが、例えば1960年代のフェンダー・ストラトキャスターであれば、状態にもよるが100万円台後半から200万円台前半あたりが一つの目安だったように思う。
ギブソン・レスポールの人気モデルにしても、状態の良いものでも300万円前後で取引されるケースが多かった印象だ。
もちろん1950年代の希少なモデル、いわゆる「バーストレスポール」などはこの限りではなく、当時からすでに数千万円クラスの値がついていたものもある。
とはいえ全体的な相場としては、まだ一部の富裕層だけのものではなく、腕に自信のあるプロミュージシャンやコレクターが頑張れば手が届く範囲にあったといえるだろう。
コロナ禍以降、なぜここまで跳ね上がったのか
ところが2020年以降、状況は大きく変わった。
同じモデル、同じ年代のギターであっても、価格が1.5倍から2倍、ものによってはそれ以上に跳ね上がっているケースも珍しくない。
管理人がよく見ているオークションサイトでも、数年前なら考えられなかった価格で落札されていくのを目の当たりにして、時代の変化をひしひしと感じている。
巣ごもり需要と「モノ消費」への回帰
まず大きな要因として挙げられるのが、いわゆる巣ごもり需要だ。
外出が制限され、旅行や外食にお金を使えなくなった人たちが、その分の予算を趣味に振り向けた。
楽器はその代表格で、特に在宅時間が増えたことでギターを始める、あるいは昔弾いていたギターへの熱が再燃した、という人が世界中で急増した。
まあ、管理人の場合は逆でコロナ禍の時にライブハウスが閉鎖されたことで一気にギター熱が冷めてほぼ引退状態になっていたんですけどね笑
円安という追い風(向かい風)
日本国内の事情として無視できないのが円安の進行だ。
ヴィンテージギターの多くはアメリカから輸入されるため、ドル建ての価格が変わらなくても、円建てで見れば実質的な値上がりになる。
2019年頃と比べて為替レートが大きく円安方向に振れたことで、輸入品であるヴィンテージギターの国内価格は構造的に押し上げられている。
これは音楽業界に限った話ではないが、特に高額商材であるヴィンテージ楽器の場合、その影響はより顕著に表れた形だ。
供給が増えない「絶対数の壁」
当たり前のことではあるが、ヴィンテージギターは新しく生産されることがない。
1950〜60年代に作られた個体数は決まっており、時間が経つごとに状態の良い個体は減っていく一方だ。
需要がどれだけ増えても供給は増えない、というのは資産価値を語る上で非常にシンプルかつ強力な理由になる。
株式や不動産と同じように、「限られたものを欲しがる人が増えれば値段は上がる」という原理がそのまま当てはまっているわけだ。
投資対象としての注目度上昇
近年は楽器そのものを弾くためではなく、資産運用の一環としてヴィンテージギターを購入する層も増えてきた。
低金利が長く続いたことで、株や不動産以外の「オルタナティブ資産」に注目が集まったのも一因だろう。
ヴィンテージギターは希少性が高く、かつ世界的な人気モデルであれば流動性もそれなりに確保されているため、コレクターだけでなく投資家からも目をつけられるようになったというわけだ。
SNSとYouTubeによる情報拡散
もう一つ見逃せないのが、SNSやYouTubeの影響だ。
有名ミュージシャンが所有するヴィンテージギターの映像がバズったり、楽器系YouTuberが「このギターが〇〇万円で売れた」といった話題を発信したりすることで、これまでヴィンテージギターに興味がなかった層にまで情報が届くようになった。
まあ昔からこういう動きは存在したが、より露骨になった気がする。
認知度が上がれば、当然ながら欲しいと思う人も増える。需要と供給のバランスが崩れる要因の一つとして、こうした情報環境の変化も無視できない。
実際どれくらい値上がりしたのか、具体例で見てみる
先ほど触れた1960年代のフェンダー・ストラトキャスターを例にすると、コロナ禍前は100万円台後半〜200万円台前半が相場だったものが、現在では300万円を超える個体も珍しくなくなっている。
ギブソン・レスポールの人気年代のものであれば、以前の300万円前後という相場から、500万円〜600万円クラスまで上昇しているケースも見受けられる。
もちろんこれはあくまで一般的な傾向であり、個体差やコンディション、パーツのオリジナル度合いによって価格は大きく変動する。ただ全体としては、この5年ほどで「2~3倍近く」に膨らんだという感覚を持っている業界関係者は少なくないようだ。
ちなみに、管理人は1本だけヴィンテージのムスタングを所有しているのだが、購入当時の価格の5倍ほどになっている。
すげえ世界になったもんだ。
これからヴィンテージギターは買い時なのか
正直なところ、この問いに明確な答えを出すのは難しい。
円安が今後どう推移するかも読みづらいし、世界的な景気動向によってはオルタナティブ資産への資金流入が落ち着く可能性もゼロではない。
ただ一つ言えるのは、供給が絶対に増えないという構造は変わらないということだ。
短期的な値動きはあっても、長期的に見れば希少性はむしろ高まっていく方向にあると考えられる。
管理人としては、ヴィンテージギターを「投資」として見るのか「楽器」として見るのかで、判断の軸はかなり変わってくると思っている。
純粋に弾きたい、所有したいという気持ちが強いなら、値段が上がり続ける前に無理のない範囲で検討してみるのも一つの選択肢だろう。
逆に投資目的で考えるなら、相場の変動リスクもしっかり理解した上で臨む必要がある。
まとめ
ヴィンテージギターの高騰には、巣ごもり需要、円安、絶対数の限られた供給、投資対象としての注目、そしてSNSによる情報拡散など、複数の要因が絡み合っている。
コロナ禍前後でこれほど価格差が出ているという事実は、単なる一時的なブームというよりも、構造的な変化として捉えたほうがよさそうだ。
ヴィンテージギターに憧れを持ったプレイヤーは今後も増えると思う。
なので、これからヴィンテージギターを探そうと思っている人は、相場観をアップデートしつつ、焦らず自分に合った一本を見つけてほしい。
管理人自身も引き続き市場の動きをウォッチしながら、また面白い動向があればこのブログで紹介していきたいと思う。
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