エレキギターのコーラスサウンドといえば必ず名前が挙がる、ELECTRO-HARMONIX(エレクトロ・ハーモニックス)の「Small Clone(スモールクローン)」。
カート・コバーン(Nirvana)が使用していたことで一躍有名になり、発売から数十年経った今も定番として愛され続けているアナログコーラスペダルです。
この記事では、Small Cloneのスペックや価格、実際の音の特徴、音作りのコツ、そして気になるデメリットまで、購入を検討している方に向けてまとめました。
Small Cloneとは?基本情報

Small Cloneは、最近では珍しい完全アナログ回路(BBD方式)で駆動するコーラスペダルです。
デジタル制御が主流になった現在でも、当時と変わらない回路設計のまま販売され続けている数少ないモデルのひとつで、「温かみのある揺れ」「独特の滲むような音の広がり」が最大の魅力とされています。
エレハモらしい無骨で大きめの筐体も特徴で、サイズは86(W)×70(H)×133(D)mmとコンパクトエフェクターとしてはひと回り大きめ。
ホント、無駄に大きいんですよね。中身はかなりスカスカなのに笑
踏みやすさを優先した結果とも言われています。
あまりの大きさから、後にひと回り小さい「Nano Clone」も発売されましたね。
スペックと価格
シンプルなコントロール

コントロールは非常にシンプルで、揺れの速さを決める「RATE」ノブと、揺れの深さを浅め/深めの2段階で切り替える「DEPTH」スイッチのみ。
難しい設定要素がないため、初めてコーラスを使う人でも迷わず音作りができます。
電源は9V電池、または9VのACアダプターに対応していますが、注意点あり。
注意!普通のACアダプターは使えない!

スモールクローンの電源ジャックはセンタープラス。
センターマイナス、つまり普通のACアダプターが使えません。

ACアダプターで駆動させるには、変換ジャックが必要です。
こんなやつ。
ちょっと昔の海外製エフェクターによく見られるタイプ。
ビッグマフやProcoのRAT2なんかもこれが必要。
1個持っておくと超便利。
※近年製造された個体は、はじめからセンターマイナスになっている個体もあるらしい。
もちろん電池駆動もできるよ

電池は本体裏から交換します。
交換にはドライバーが必要。
ちなみにスモールクローンはアナログコーラスなので、デジタルコーラスに比べて電力消費量が少ない。
なので、電池使用でも想像以上に長持ちだったりする。
最近の相場は?
価格は新品でおよそ15000円〜が目安です(2026年時点の実売価格。時期や販売店によって変動するため、購入前に最新価格の確認をおすすめします)。
中古市場にも数多く流通しており、状態の良いものであれば新品よりも手頃な価格で入手できることが多いモデルです。
主な使用アーティスト
Small Cloneを使用したことで知られるミュージシャンには、カート・コバーン(Nirvana)、ジョン・フルシアンテ(Red Hot Chili Peppers)、J・マスシス(Dinosaur Jr.)、ジョニー・グリーンウッド(Radiohead)、高崎晃(LOUDNESS)などがいます。
90年代のオルタナティブ/グランジ系ギタリストを中心に支持されてきた背景があり、「あの時代のコーラスサウンド」を求める人からの需要が今も根強いペダルです。
音の特徴
Small Cloneの音は、他社のデジタルコーラスと比べて「揺れ方に規則性がありすぎない」「音の輪郭がやわらかく滲む」といった評価をよく見かけますね。
DEPTHスイッチを浅め(Off)にすると、原音に近いナチュラルな厚みが加わる程度の上品な揺れに。
深め(On)にすると、うねりの強いクセのあるコーラスサウンドになり、いわゆる「コバーン・トーン」に近づきます。
よくアナログコーラスは、「暖かくナチュラルな音」と表現されたりしますが、
まさにそのとおりのサウンドが楽しめます。
ニルヴァーナのコピーには欠かせないエフェクターであることはもちろん、
ギターソロのときにONにしてピロピロ弾くのも気持ちいい。
クリーントーンにかけても良し。
歪んだ音にかけても良しの万能コーラス。
じつはサウンドバリエーションは広い
シンプルなコントロールとは裏腹に、けっこう色々な音が楽しめるんです。
さわやかなコーラスサウンドはもちろん、エグいコーラスまで表現可能。
飛び道具のようなサウンドも出せちゃいます。
Small Cloneの名前の由来
コーラスって音が被って聞こえますよね?
音がダブって聞こえる=クローン
当時はこのように考え、スモールクローンと命名したそうです。
エレハモのこういうネーミングセンス好き。
ちょっとした雑学でした笑
使い方・音作りのコツ
Small Cloneのおもな使い方を紹介。
音作りの参考にしてみてください。
- 12弦ギター風のきらびやかさを出したいとき:RATEを遅め、DEPTHを浅めに設定すると、単音弾きやアルペジオに立体感が生まれます。
- カート・コバーンのような揺れの強いサウンド:RATEをやや速め、DEPTHを深めに設定するのが定番の組み合わせです。
- バンドアンサンブルで埋もれさせたくないとき:かけすぎると音の輪郭がぼやけるため、DEPTHを浅めにして「隠し味」程度に使うのがおすすめです。
ノイズ・音痩せについて
Small Cloneに関してよく話題になるのが、ノイズと音痩せです。
完全アナログ回路ゆえに、他のエフェクターと繋いだ際や歪み系の後段に接続した際にサー音が気になるという声があります。
また、エフェクトをオフにしていても原音がややこもる(音痩せする)という指摘も一部で見られます。
この点が気になる場合は、後継機である「Neo Clone」(音痩せを改善したモデル)も選択肢に入ります。
個人的には、そこまでノイズも気にならないですけどね。
デメリット・こんな人には向かないかも
- 筐体が大きめなので、ボードのスペースに余裕がない人には不向き
- パラメーターがシンプルすぎるため、細かく音を作り込みたい人には物足りない可能性がある
- ノイズや音痩せが気になる環境では、後継機との比較検討がおすすめ
Small Cloneの兄弟機を紹介
スモールクローンの歴史は長い。
そのため、いくつかバリエーションがあります。
Nano Clone(ナノ クローン)
基本的には、Nanoサイズ版のSmall Cloneということですが、
DEPTHスイッチがありません。
コントロ-ルのツマミはRATEだけ。
ただでさえシンプルなスモールクローンをさらにシンプルにしたペダルといえます。
だから音作りの幅はかなり狭い。
サウンド自体は、ちゃんとしたコーラスサウンドを奏でてくれます。
Neo Clone(ネオ クローン)
スモールクローンの回路パーツを高品質なものに。
そしてナノサイズにサイズダウン。
スモールクローンの改良型ともいえるペダル。
Bass Clone(ベース クローン)
ベース用のスモールクローン。
スモールクローンの回路に、ベース専用の機能を加えたコーラス。
ベースでもコーラス使いたいベーシストに。
赤いスモールクローン?

えーと、これはスモールクローンではないのです。
とても良く似ているペダルなのですが、こちらは「Small Stone(スモールストーン)」
同じくエレハモから販売されていたフェイザーになります。
筐体はまったく同じサイズで、パッと見ただけだとスモールクローンの色違いに見えなくもない。
残念ながら、現在スモールストーンの生産は終了して廃盤になっています。
そのかわりに、ナノシリーズから小さい筐体になってリイシューされています。
オリジナルよりも価格も安く入手しやすい。
まとめ:Small Cloneはこんな人におすすめ

Small Cloneは、シンプルな操作性でありながら唯一無二の揺れ方を持つ、まさに「定番」と呼ぶにふさわしいアナログコーラスです。
90年代オルタナ/グランジ系のサウンドが好きな人、細かい設定よりも直感的に音作りをしたい人には特におすすめできる一台です。
一方で、ノイズや音痩せ、筐体サイズが気になる場合は、Neo CloneやNano Cloneといった派生モデルもあわせて検討してみてください。
僕の世代だと、コーラスといえばBOSSかエレハモっていう時代だったんですよ。
BOSSでも音に不満はないんだけど、なんかちょっと変わった見た目のやつが欲しい時期で・・・
それでスモールクローンを選んだっていう。
若い時ってそういうのあるじゃないですか笑
でも、やっぱり音も良いんですよね。
なにより使いやすい。これが一番。
自分の好みのサウンドが出るまでツマミを一つ動かすだけですからね、超簡単。
こういう使いやすさも、長い間、売れ続けている理由なんでしょうね。
最近は僕もマルチを使うことが多いから、ボードから外れてしまってますが、
「1つだけコーラスを選べ!」って言われたら、間違いなくスモールクローンにするかな。
それぐらい好きなコーラスペダルです。
ということで、それではまた。
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